ウクレレを作って、よくできたと思うと、人に見せたくなるんです。そこで、知人がいるところに見せに行くことがあります。
この音にどんな顔するかなあとわくわくしながら見せるのですが、すると案に相違して、遠巻きにするみたいな感じで触ってくれないことが多いです。
そこで「どうぞ触って弾いてみてください」と言うのですが、なかなか手を出してくれず、何回か促してようやく指先で弦にちょこっと触れて、「貴重なものをありがとうございました」みたい感じですぐに返してくます。
きっと、大事なものを傷つけたら大変という思いや、自分はウクレレにそんなに詳しくないという思いや、上手に感想を言えないかもなどの思いから、そんなふうになるのでしょう。
でも、これが結構こたえるんですね。作り手の頭には、ウクレレを持って弾いてくれてる場面しかないものですから、持ってくれない弾いてくれないというのは想定外で、ボディブローで腹を打たれた時のようにずーんと応えてしまって、「だれも弾いてくれないのかあ…」みたな感じで、元気がしぼんで帰ってきます。
ウクレレを作りはじめた当初、そんな経験を繰り返していたのてすが、ひとりの友人が私の作ったウクレレをすっと手にとって、スマホでコードを検索して、即座に弾いて一曲歌ってくれたのはうれしかったですね。その人は、「はじめて私のウクレレを弾いてくれた人」という「大恩人」の位置づけで燦然と輝いています。
歌も演奏もごく初心者の感じだったんですが、そんなことも構わずにすぐに持って弾いてくれて、おまけに歌まで歌ってくれて、とてもうれしかったんです。そんな簡単なことが、逆ボディブローとでもいいますか、私に腹の底からぐわーっと元気を出してくれました。その日のことだけでなく、私のウクレレ作りにずっと元気を与え続けてくれていて、とても感謝しています(^^)/。
見せたらすぐに手に取ってくれるであろう友人が、私には今、二人か三人、もしかしたらもう少しいます。たった二人か三人? でも、私には大きな二人か三人なのです。(#^^#)