最近ビウエラを作るようになって、低音弦があるビウエラの豊かな響きに魅了されると同時に、高音部だけのルネサンスギターの魅力も再発見するような感があります。
16世紀スペインにビウエラとルネサンスギターの両方が生まれ流行したのには、ちゃんと必然の理由があったのだな、という感覚です。
当時は、ビウエラが上流階級のたしなみとして広がり、ルネサンスギターが庶民生活に密着する楽器として広がるという形で、階級分化に対応していた面があるのですが、典雅な音作りと生き生きとした音作りという音作りの二方向に対応して、相互補完的に当時の音楽界を立体的にしていたのかなと思います。
そういう意味で、ビウエラとルネサンスギターは、異なる楽器でありながら、ひとつの系の同じ楽器と言ってよいようにも思えるのです。