大航海時代の船は、航路探索が主目的だった当初の段階は小型軽快なカラベル船(14世紀)が使われましたが、15世紀に入ると長距離航海と輸出入品積載のために大型化し、積載量も乗員数も大幅にアップさせたカラック船が使われるようになります。16世紀になると諸外国や海賊の攻撃に対処できるように戦闘力をアップしたガレオン船が生まれ、甲板6層に大砲数80門などという巨大船も登場します。17世紀は戦闘力をさらにすさまじくした戦列艦、18世紀は速力を付け加えたフリゲート艦、19世紀は速度と機動性を上げたコルベット艦や究極の帆船とも言えるクリッパーが生まれ、次の蒸気船へと移行していきます。(大航海時代 森村宗冬著 新紀元社)
大航海時代が動き出す14世紀以降、このように船はどんどん変化し大型化して行ったわけですが、これと並行するようにギターの形状にも変化が起きたのではないか、という仮説を考えています。
14世紀から15世紀初頭のイベリア半島で盛んだった撥弦楽器はなんと言ってもリュートですが、リュートの半球形のボディはどう考えても船に積載するのに適していません。小型の船にあのような大きな楽器を積載する余裕はなかったでしょうし、積載してもコロコロ転がりがちで、荒れ狂う海に翻弄されているうちに破損してしまう危険が大きかったことでしょう。そうすると、必然的に船に積載して長距離航海に適するような改良が起きてきたのではないかと思うのです。
ではどのような改良が起きたのかを考えてみたいのですが、それはまた明日以降に譲ります。