クラシック音楽の本を見ていると、「人類の至宝」「至福のひととき」「珠玉の演奏」「聖なる響き」など、最上級のほめ言葉が並びます。その賞賛は、作曲家、作品、演奏解釈、指揮者、演奏者、楽器など、どこか聖化された特別な人や物に向けられることが多いようです。
他方、ウクレレなどの世界で見られるのは、「楽しかった」「ワクワク」「ノリノリ」「仲間たち」「繋がり」「love♡」など、聖化されず、特別でもない、ごく普通の私達が共にある喜びに向けられた言葉たち。
この表現の違いは、聖と俗、特別と普通、伝統と自由、過去と未来、プロとアマチュアなど、様々な二項と対応する関係がありそうです。
縦(和音)と横(メロディ)が組み合って音楽になるように、縦(聖・天才・プロ)と横(俗・普通の人・アマチュア)があってこそ、音楽の世界はより大きく豊かになるものなのかもしれません。