一十舎のウクレレの特徴

木象嵌 木のインレイ

写真は、今作成中の屋久杉ウクレレの装飾です。
穴に木を切り抜いて嵌め込む木象嵌です。

弦楽器のはめ込み装飾のことを普通インレイと言いますが、インレイを木でやる人はほとんどいないですね。たいてい貝か貝に似たアクリル板を使います。英語では、木でも貝でも埋め込みはみんなインレイですが、日本語では、貝を埋め込むのを螺鈿(らでん)といい、木を埋め込むのを木象嵌(もくぞうがん)と言います。

私もはじめはウクレレに貝を埋め込んでいたのですが、いつのまにか木を埋め込むようになりました。素朴なのにいろんな表情かあるのが気に入っています。

古代から楽器の装飾としては、螺鈿も木象嵌もどちらもあったようなのですが、貝のキラキラに押されて、木象嵌はだんだん無くなっていったというのが歴史の流れのようです。教科書に出ている正倉院の琵琶も貝のキラキラ装飾で埋め尽くされていますね。デコり尽くしたキラキラパワーの前では、木象嵌の地味な色合いはだれの目にも劣って見えたのでしょう。

でも現代はキラキラがあふれてる時代ですからね。キラキラはさほど珍しくもないので、木象嵌の優しい穏やかな魅力がしみてくる時代が来てるような気がします。

一十舎のウクレレの装飾は木象嵌です。いろんな木を使ってます。(#^^#)