あれこれいろいろ

カテリーナ古楽合奏団の中世・ルネサンス音楽会を聴いて その3

楽器の多様性、音楽の庶民性に続いて、カテリーナ古楽合奏団の中世・ルネサンス音楽会で感じたことの3つ目は、音楽の多層性というようなことです。

ヨーロッパ中世・ルネサンスの音楽には、様々な宗教、地域、民族の生活や文化が何層にも重なっているのが感じられました。キリスト教的、ヨーロッパ的であるばかりでなく、イスラム的、ユダヤ的であったり、トルコ、ペルシャ、地中海沿岸、北アフリカなど様々な地域の匂いや、ユダヤ、ジプシーなどの放浪民族や、それらが音楽と楽器の中に多層的に織り込まれて生き生きと躍動している感じです。

私はルネサンスギター以降ウクレレに至るまでの流れを追いかけていますが、するとやはり、ラテン音楽に中南米のインディオの旋律や黒人奴隷の音楽が入り、アジアでインドネシアの音楽が入り、ハワイでハワイのリズムが入りと、音楽がどんどん多層的になっていく様子が見えてくるのです。そしてウクレレは現在世界のあらゆる音楽分野を取り入れて無境界になりつつあります。

こうして様々な遺伝子を取り込んで展開していく音楽が、非常に魅力的です。混ざりけがない純粋な音楽という発想が特に宗教音楽などではあるような気がしますが、他方において、どんどん多層的になって展開していく音楽の豊かさに、私はとても惹きつけられるのです。

上の写真は音楽会で購入したCDです。サインしてもらいました(^o^)。