ルネサンスギターのヘッド(ペグボックス)の表面は、この写真のように化粧板を貼り付けて仕上げるのですが、この写真で貼り付けた黒い薄板は、2600年前の鳥海山の噴火で土中に埋もれて保存されたけやきの木で作りました。2600年の間土中にあったためすっかり黒色化しています。こういう土中で千年以上保存され、現代に掘り起こされたけやきは、材木取引の世界では神代けやきと呼ばれます。2600年前と言えば、日本なら古事記などの神話の世界から大和朝廷が生まれる時代。西洋ならギリシア、ローマでこちらも神話が息づく時代。ギリシアローマを手本にしたルネサンス時代のギターに神代けやきは、きっとぴったりの取り合わせです。