人は耳には聞こえない超高周波を体表面などから感知し、人体・脳・心理に様々な影響(多くはポジティブな影響)を受けているということ(ハイパーソニック・エフェクト)を前回前々回に書きましたが、そのような超高周波は、自然の中に多く見られます。
・アフリカ、アジアの熱帯雨林の環境音は、しばしば200kHzを超えるほどの超高周波をもち高度な揺らぎ構造を伴う。
・バリ島、日本などモンスーン・アジアの森林の環境音は、100kHzに達し揺らぎ構造を伴う。日本の屋敷林の環境音はとりわけ、超高周波が豊潤である。
・波、滝、流水などの発する水音は、100kHzを超える強い超高周波を発生する場合がある。ただし水音の揺らぎ構造は特に複雑とはいえない。
また、様々な楽器や音楽にも超高周波が観測されます。
・バリ島のガムランアンサンブル、バリ島のテクテカン、バリ島のジェゴグ、日本の琵琶、能管、尺八などは、しばしば200kHzを超える超高周波を発生させ、豊かな揺らぎ構造を伴う。
・チェンバロやバグパイプは60~80kHzの超高周波をもつが、ピアノやオーケストラには超高周波が含まれない。
・世界各地の伝統的な打楽器、弦楽器、リードをもつ吹奏楽器、鈴、ベルなどにも超高周波を発生させるものが少なくない。
・ブルガリアの伝統的な発声法による女声合唱、ジョージアの伝統的な発声法による男声合唱、日本の能の地謡、アフリカ熱帯雨林のピグミーのコーラスは、100kHzに迫る超高周波をもち、強い揺らぎ構造を伴う。
参考・ウイキペディア ハイパーソニック・エフェクト ほか
以上の情報からすると、原始的な自然環境音と、自然と結びつきが強いような古い音楽に超高周波が多く観測されるようです。逆に古典派から現代までの西洋音楽では超高周波が少なくなる傾向がありそうです。
非常におもしろい現象だなあと思います。これからの音楽のブレイクスルーのひとつは、超高周波を含む楽器や音楽の復活というところにもありそうです。
では耳に聞こえない超高周波を含む音楽の聞き比べをどうぞ。
地謡☟
ピグミーのコーラス☟
ブルガリアの合唱☟
鈴☟
チェンバロ☟
尺八☟