昨日、いろいろな弦を張り替えてみて、オクターブピッチがどのくらいかわるのか見ていたんですが、びっくりするほど変わりました。
変わるにしても、1弦から4弦まで、各弦ごとのチューニングの方向性くらいは一致するかなと漠然と予想していたのですが、方向性すら一致しないことがあるという結果でした。
たとえば、アクイラのナイルガット弦では1弦のオクターブピッチがマイナス10セントだったのが、ghsのナイロン弦ではプラス15セントとなり、まったく逆方向の調整をしなければならいという計測結果でした。ワースのフロロカーボン弦はまたちがう数値となります。
ウクレレの場合、プラス方向に数値がずれていれば、サドルの頂点を削ってお尻方向に頂点をずらせば補正ができ、マイナス方向に数値がずれていれば、サドルの頂点をヘッド方向に削ってずらせば補正ができます。
弦を変えてもずれのプラスマイナスの方向性が一致しているのであれば、出荷の段階である程度公約数的な補正をほどこして出荷すればいいのですが、方向性が異なるのでは、どちら方向に削って補正しておけばいいかよくわからなくなります。
何も補正しないというのも正解かもしれません。たとえば、ghsに合わせてぴったりに調整して出荷して、お客様がナイルガット弦に自分で交換した場合、ピッチは25セントもずれてしまうという結果になる可能性があります。
そうすると、どの弦でも対応できるようにしておくと、かならずオクターブピッチはある程度ずれているということを前提にする必要があります。弦の種類ごとのばらつきの激しさからすると、ずれが15セント以内であればよしとするくらいの幅で見るのが一般的には正しい姿勢といえるかもしれません。
どの程度の調整で出荷するのがよいかは、答えのないなぞみたいな感じですが、検討課題です。