ウクレレの魅力

ウクレレの音は何デシベルくらいか ウクレレの音は人の話し声と同じ大きさだからいいのだ!という話(^^

新アトリエは閑静な住宅街にあるので、大音量の木工機械を入れるための防音室を導入する予定です。

先日防音室設置業者の方と打ち合わせをしたのですが、業者の方がアトリエの昼間の音を測ってみてくれました。結果は40デシベル。アトリエは鳥の鳴き声くらいしか聞こえないところで、車の音は皆無、遠くから響いてくる町の背景音すらほとんどないようなところなのですが、それでも40デシベルの音があるのですね。防音業者の方の話では、人間の耳は日常の小さな音をあまり感知しないのだそうです。

その後、業者の方がかなり大きな声で話しながら計測してくれたところ、今度は70デシベルでした。私の声はもっと小さくて60デシベルくらい。

その後いろいろ調べてみたところ、怒鳴り声や叫び声だと80デシベル~120デシベル、大きな声の会話だと70デシベル、通常会話だと60デシベル、ひそひそ話で50デシベル、会話していない静かな環境で40デシベル、耳元のささやき声で30デシベルくらいというのが人の声の音量のようです。

ちなみにもっと大きな音をみますと、80デシベルは幹線道路沿いの音、90デシベルはパチンコ店内の音、100デシベルは電車通過時の高架下、110デシベルは自動車のクラクション、120デシベルはオーケストラの音、130デシベルは飛行機のエンジンそばや落雷の音、だそうです。

さてここから本題です。ウクレレの音など、楽器の音はどうなのかということなのですが、一般的には以下のような区分けのようです。

・ごく小さく鳴らすウクレレ=30~50デシベル=ささやき、ひそひそ

・軽めのウクレレ(ポロンポロン)=60デシベル=通常会話

・本気のウクレレ(盛大ジャカジャカ)=70デシベル=大声の会話

・アコースティックギター=80デシベル=幹線道路沿いの音

・フルート、ヴァイオリン=90デシベル=パチンコ店内の音

・ピアノ、オーボエ、ハープ=100デシベル=電車通過時の高架下

・金管楽器、アルトサックス=110デシベル=自動車のクラクション

・テナーサックス=120デシベル=オーケストラの演奏

・生ドラム、ロックバンド演奏=130デシベル=飛行機のエンジンのそば、雷=人間の耳の限界付近

こんな区分になるようです。

こうして楽器の音量を並べてみると、私がウクレレに惹かれる理由があらためてよくわかりました。

ウクレレは人間の声と同じ音量なのですね。耳元のささやきから、ひそひそ話、普通の会話、大きな声の会話までがウクレレ音量なのです。人が話すように演奏ができる貴重な楽器。ウクレレは自分の声のようなものかもしれません。周囲の迷惑にならない楽器という意味でも貴重ですが、さらに本質的なよさは、気負いのないありのままの自分の声として演奏ができるということ、親しい人と穏やかに会話をするように演奏できるというと、そこにウクレレの本質的な良さがあるように思います。その本質的な良さがあるからこそ、ウクレレがポルトガル船に乗って世界に広がっていったのかもしれません。

ウクレレを大型化して大音量の方向に進んだり、ピックアップを装着したり、超絶技巧の中で他の楽器と競ったりと、そういう傾向に私はあまり乗り気でないのですが、それはやはりウクレレの特徴はそちらではないなあと感じるからだと思います。そちら方向を求めていくと、ウクレレはウクレレの特徴を次第に失い、やがて存在意義をなくしていくような気がします。

ふつうにひいたときに通常会話の音が出る、ささやきから大きな声まで、人の声とほとんど同じ領域の音が出る、このウクレレの特徴は、通常考えられている以上に貴重なように思います。音の小ささのために楽器としては劣るようなイメージをお持ちの方も多いですが、むしろそこがウクレレの大事なところで、ウクレレが人に寄り添う楽器、常に友のようにある楽器になる本質のところかなと思うのです。そしてそこには、大音量の音楽世界とは異なる別次元の音楽世界があるなあとも思います(^^♪。その音楽世界は、音楽の起源に近く、そこから始まって人の耳の限界付近まで行き尽くした音楽がやがて引き返して戻ってくるところなのかもしれない、そんなふうにも思うのです。