コーヒーの粉をドリップに入れて、お湯を少し注いで湿らせ、三十秒ほど蒸らします。
この三十秒の待ち時間がなかなか曲者で、ルネサンスギターやウクレレにすっと手が伸びてしまい、弾き始めてしまうのです。するとたちまち、コーヒーのことは忘却の彼方で、はっと気が付いたときは時すでに遅く、お湯はすっかり冷め、湿らせたコーヒーはドリップにぺたんこになって張り付いたようになって、ああまたやってしまったと私は思うのです。
ルネサンスギターとウクレレは、ちょっとした隙間時間にすっと手が伸びる手軽さがよいのですが、あまりにも手軽過ぎて、こんなことがしょっちゅうなのです。