オベーションから出ていた古いソプラノウクレレ、アプローズです。一十舎のオリジナルネコを乗せてネコレレ化してしまいました。オベーションのアプローズは今はデザインがちがっていて、中央にサウンドホールがあるデザインは生産されていないようですね。中古でも出ているのは見当たらず、今は入手困難品の部類でしょう。
ネコの足が乗っている地面の筋がありますね。これ、実は表板の割れを修理した跡なのです。このウクレレの身にどんな事故があったのかは知りませんが、私の手元に来たときにはかわいそうなことになっていました。この割れを木片を埋めて修理しようと思ったのですが、修理の痕跡を消すのは容易でないのでどうしようと考えていたところ、逆にこれを利用してかわいくしてしまえということで、木片を埋め込んで修理した筋の上にネコを乗せました。一十舎のオリジナルデザインのネコです。このネコデザインはちゃんとデザイナーさんに依頼して作ってもらったひとつで一十舎が権利をもっているのです。タモの木の板を使ったので、その杢模様がネコの質感を引き立ててくれました。
このウクレレにはもうひとつ修理の痕跡があります。ヘッドのはしっこが折れたのをくっつけた痕跡がありますね。
もとの所有者が自分で直したようですが、木の繊維がつぶれることなく単純に割れたのでまたきれいに付けることができたようです。まあこれはこのままでいいでしょう。私もしばらく気が付かなかったくらいで、きれいにあまり目立たないようにできています。
オベーションのアプローズといえば、グラスファイバーて作られたラウンドバックです。
メーカーの説明によれば、グラスファイバーのラウンドバックにすることによって音のデッドポイントを解消しアコースティックな音を実現したのだそうです。まあギターメーカーですから、アコースティックなギター風の音にしたかったのでしょうか。ウクレレの音ではない感じです。木の音でもない感じです。かなり大きな音で鳴ります。他社のウクレレの音なので、私がよしあしを言うことはできませんが、とても個性的です。弦が古くなっていたので新しい弦に取り替えました。
ネコレレにしたことで、割れがあったことに目が向かないようにするのは成功したと思います。もともと作りが戦車なみに堅固なので、この割れの痕跡は、音質にも頑丈さにも影響を与えていないと思いますので、デザインと音が好みに合えばまだまだ長くお付き合いできるウクレレだと思います。明日にでも、中古訳あり可愛い品としてベースのカートに載せたいと思います。
