西洋の楽器(主として弦楽器)に使われる木を、ざっくりまとめてみました。古い時代から現代まで一貫して、スプルース、シダー、メープル、マホガニー、ビーチ(ぶな)、ローズウッドあたりは、変わらずに楽器材として定評があるようです。
<リュート>
・ ネック…ブナ(beech)、メープル(maple)、洋梨(peer)やりんご(apple)などの果樹。
・ 表板…スプルース(マツ科トウヒ属。有名なスプルースは次の三種→エンゲルマンスプルース(北米)、シトカスプルース(北米、米トウヒとも言う)、ジャーマンスプルース(欧州トウヒ、ドイツトウヒ、ドイツマツなどとも呼ぶ)。
・胴(半球)面のリブ…イチイ(yew)、メープル、黒檀、キングウッド、ローズウッド、スネークウッド、タモ(トネリコ、アッシュ)、ウオルナット、アップル、洋梨(peer)、シープレス(糸杉)。
・指板…黒檀、又は洋梨を黒く染めたもの。
<クラシックギター>
・表板…スプルース(同上)・ウエスタンレッドシダー(ヒノキ科クロベ属、北米太平洋岸、カナダ杉とも言う)・マホガニー
・側板と裏板…ローズウッド(ハカランダと呼ばれるブラジリアンローズウッドがギター材として最高とされ、他にインディアンローズウッドなど数種あるが、2017年のワシントン条約により全ローズウッドが絶滅危惧種として取引規制されたので、日本に在庫がなくなればもう入手困難)、マホガニー、メープル
・ネック…マホガニー、セドロ(中南米のゼンダン科の広葉樹)、メープル
・指板…黒檀、ローズウッド
<フラメンコギター>
・表板…スプルース
・裏板と側板…シープレス(ヒノキ科、スパニッシュシープレスとも言う。和名ではイトスギとか西洋ヒノキとも言う)、マホガニー、メープルなど
<ウクレレ>
・ボディ全体を一種の材で作る場合→ハワイアンコア マホガニー マンゴーなど
・表を軽い材にして、裏と側を重い材にする場合→表をスプルース又はシダーにし、裏と側、をローズウッドやメープルにするなど
<マンドリン>
・表板 スプルース、シダー
・ランドバックボディ ローズウッド、メープル
・ネック マホガニー、メープル
<ヴァイオリン・ビオラ・チェロ>
・表板と魂柱…スプルース(軽軟で弾力性があり、強度もあり、比重が軽く、音響伝播速度が速い)
・裏板と側板とネック…メープル
・指板…エボニー(黒檀)
・糸巻、テールピースなど付属品…ボックスウッド(ツゲ)、ローズウッド 比重が高いため倍音がでやすい
<ピアノ>
・響板…スプルース又は赤エゾ松
・本体…マホガニー、ウォルナット、チェリー、バーチ(カバノキ)
・内部構造体…メープル
<チェンバロ>
・響板…スプルース、モミ(fir)、シープレスなど
・本体…ポプラ(フランドル様式)、ウォルナット、オーク(楢)、メープル(楓)、樫など
・ブリッジ…ブナ、洋梨、樫、ウォルナット
・鍵盤…菩提樹、ツゲ、黒檀、牛骨など
<リコーダー>
重い順に グラナディラ、ローズウッド、バリサンダー、ボックスウッド(ツゲ)、メープル、オリーブ、サテンウッド、チェリーなど 重い材は硬い音で、軽くなるにつれ柔らかい音になる傾向
<ビウエラ>
・マリアニータ エクアドルのキト 17世紀
表板…松材(pine)
裏板…ブナ材(beechwood)と松材。 側板…ブナ材(ビーチ)
ネック、ヒール、ペグボードが一体物でアメリカのシダー(American ceder)、指板…何か黒いアメリカ産の木材(GaiacかRosewood)
・ビウエラ シャンビュール フランス 16世紀
表板…モミ材 裏板・側板…マホガニー材か ネック…おそらくヒノキ材
・ビウエラ グアダルーペ スペイン製 16世紀
表板…パイン(松材) 裏板と側板…?
