最初はウクレレを作っていたので、弦の数は4本だったんです。
そのうち、ルネサンスギターを作ってみませんかと言われて、弦の数が7本に増えました。
次にルネサンスギターには8弦バージョンもあるので、8弦のものも作るようになりました。
その後ビウエラも作らんかねと言われて、とうとう11弦のビウエラを作りはじめました。
ビウエラには12弦もあるので12弦も作ってみました。
かくして気がつけば弦の数が増えているという夏の怪談のような話。
ここ半年近くはビウエラの開発だけに集中して製作しているので11弦が最近の製作の中心なのですが、先日アトリエに近所のおまわりさんが巡回訪問に来て、皿屋敷のお菊さんが皿を九枚まで数えて「一枚足りない」と言ったように、おまわりさんは弦を十一本まで数えて「一本多い」とはさすがに言わなかったですが、そのかわりにこう言いました。
「弦が十一本だから、一十舎っていう名前なんですね」
言われてはじめて気が付いた十一と一十の偶然の一致でしたが、言われてみると偶然ではなかったような気もしてきて、十一妖怪に呼ばれてしまった恐ろしさに思わず「ぎゃあ」と悲鳴をあげたとかあげなかったとか…。
というわけで、9月の残暑が少しは涼しく感じられたでしょうか。💦