ウクレレのGCEAを5度上げてDGBEに調弦したクイントピッチウクレレ。こういう調弦法は歴史的にはどうなのか、ということで、ウクレレの祖先&兄弟姉妹たちの調弦を比較してみました。
ウクレレの元であるブラギーニャ(別名マチェテ・デ・ブラガ)は、現在はDGBDが主流ですが、1844年と1845年の資料に、DGBEに調弦していたという資料があります。
ウクレレのもうひとつの祖先であるラジャンは5弦楽器ですが、これはDGCEA。
ブラギーニャの元と考えられるポルトガルのカヴァキーニョは、現在GGBDが主流ですが、色々バリエーションがあって、DABE、AAC♯E、CGADなどもあります。
ポルトガルのカヴァキーニョの兄弟であるブラジルのカヴァキーニョ(カヴァコ)は、現在DGBDが一般ですが、DGBEにする人もいるそうです。
というわけで、ウクレレの仲間たちを見てみると、クイントピッチウクレレの5度上げチューニングは、1840年代のブラギーニャと現在のブラジルのカヴァキーニョの一部と同じです。またウクレレのほかの兄弟たちも、半音ほどずれる弦があるくらいの似たような音域で演奏されています。
というわけで、5度上げのクイントピッチは合理的な選択肢のひとつと言ってよさそうです。おまけにこうするとギターの1弦から4弦と同じ(オクターブ上)になるので、ウクレレ経験者ばかりでなく、ギター経験者もすぐに参入しやすいという大きなメリットがあります。ギターのアンサンブルにきれいな高音を入れるという広がりが生まれます。
ブラギーニャ ☟ ガット弦 DGBD
ポルトガルのカヴァキーニョ☟ スチール弦、いつもはGGBDで弾くがこれは一音上げてAACEにして弾いてみたという説明