ルネサンスギター

トップ(表板)の塗装はどのくらいするのがいいか

現代のギターやウクレレは、トップもツヤツヤになるまでこってり塗装をするのがごく普通ですが、プロ古楽器奏者おふたりの話では、トップはできる限り薄い塗装がよいとのことでした。

岩田さんのお話では、古楽器では、トップは全く塗装しないか、せいぜい一、二回に止めるのが普通なので、ぜひそうしてほしいとおっしゃっていましたし、太田さんも、前にギターを修理に出したら、トップもピカピカに再塗装されて帰ってきて、すっかり音がおかしくなった話をされながら、トップの塗装は少なめがよいとおっしゃっていました。

というわけで、おふたりの話を聞いてから、一十舎では、ウクレレもルネサンスギターも、トップの塗装は最小限を心掛けるようになりました。サイドとバックはシェラックで艶が出るまで塗り重ねますが、トップは材の保護のために必要最低限のオイルを塗るのにとどめています。ですので、トップのつやはその分抑え気味になっています。

ただし、パロサントという素材にはオイルは向かないようです。パロサントはもともとオイル分を多く含む材なのですが、そこに塗装のオイルを塗ると、オイルとオイル反応するのか、材が予想外の変色をするようなのです。というわけで、パロサントはトップもシェラック塗装のままにしています。パロサントはとても重くて比重の高い材なので、塗装による影響は相対的に少ないと思われますので、悪影響は大きくないと言ってよいでしょう。従来もそれでよい音が出ていたことですし。

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