上の写真のように、ブラックウォルナットとパープルハートの木のブロック材から、バック材とサイド材の薄板を製材しました。
こうして薄板を自分で製材できると、使える材の範囲がぐっと広ります。
材の範囲がぐっと広がるということは、音の範囲がぐっと広がるということでもあります。
使う材によって音色がちがってくるのは、おどろくほどです。
こんなにバリエーション豊かな木の音世界があるのに、「いいウクレレは絶対コア!」 とばかりに、コア材にみんなの意識が集中しているのはもったいないなあと思うことがあります。
コーヒーで言えば、ブルーマウンテンのほかにも、ブラジル、キリマンジャロ、グアテマラ…などなど、たくさんの品種がありますね。名前を聞いたこともないような品種だって世界にはたくさんあるでしょう。それら無数の品種を毎日いろいろ楽しめるのは、とても豊かだと思います。もしブルーマウンテン以外は本物じゃないみたいな風潮が生まれたらもったいないとおもうんですね。無数のバリエーションが開かれていることの豊かさを捨てちゃうことになります。
というわけで、ウクレレで言えば、コア材にみんなが惹かれがちな状況の中で、ほかの木もいろいろあるよ、と言うスタンスが一十舎の立ち位置になっておりす。
世界にある様々な楽器の多くは、使う材が伝統的にほぼ決まっていて、使う材の自由をあまり持たないものが多いです。最高品質の頂上を求めるとそうなるのかもしれませんが、裾野にある雑草も、よく見れば頂上の美しさに劣るわけではありません。
材や作りの自由度を残している数少ない楽器がウクレレです。伝統にあまり縛られていないのです。これはウクレレのとても大きな特質だと思うので、この自由さをどんどん展開させていくとウクレレはさらに大きく世界に鳴り響いていくような気がしています。(*^-^*)