写真は、グローバーのギア式ペグの部品を取り出して並べたものです。真ん中に板を立ててありますが、これがウクレレのヘッドであるというつもりで見て下さい。板の右側がウクレレの表、板の左側がウクレレの裏のつもりです。
部品はたったの三種類。
ウクレレの表側から丸い筒状の部品(ブッシュと言います)を穴に差し込み、ウクレレの裏側からペグの本体を差し込み、ネジふたつで止めるという簡単な仕組みです。
グローバーの9Nという種類のものは、この筒状のブッシュの外径が9mm強になってますので、ウクレレのヘッドにドリルで9mmの穴を開けてブッシュを差し込みます。ブッシュが9ミリ強と少し大きめになっているのは、ヘッドに開けた穴にはめたときにスカスカにならないようにです。
ペグを取り付けるときの注意点は特にこの5つです。
1 ペグを上下さかさまに取り付けるな。
当たり前の話なんですが、はじめてやるときに案外間違えやすいのです。
2 ネジをなくすな。
グローバーに余分なネジはついてきません。ところがこれが取付のときにぽろりとよく落ちやすいのです。はねてころがっていくので、探すのがたいへんです。机の下にもぐりこんで探し回るときに頭をぶつけます。ほかのものをひっくり返します。そして、ネジはバミューダ海域に消えた飛行機のように出てきません。
3 ネジの頭を電動ドライバーでねじ切るな。
電動ドライバーは強力ですから、ギュウギュウ押し込んで、ねじ頭をねじ切ってしまうことがあるそうです。「ねじ切っちゃうことがありますよね~」「そうそう、そうなんですよ」という会話をしているのを聞いたことがあるんです。下穴を開けないでやってるのでしょうか。私の場合は、少し細目のドリルで下穴をあけてからネジを入れてるので、そういう危険を感じたことは一度もありませんが、ねじ切ってしまうという経験で会話が成立していたことからすると、そんな危険があるらしいです。
4 ネジの下穴をドリルで開けるときに、ドリルを表側に突き抜けさせるな。
これをやると泣きそうになるでしょう。ウクレレの表から見たときに得体の知れない小穴が開いているのは悲しいものです。ごく小さな穴なので、指先で撫でてみたりするのですが、撫でても穴はふさがりません。小さな穴であるからこそ、あきらめのつかない悔しさがつのります。こうならないためには、ドリルビットの先端に、ここまで差し込んでよいという目印をつけておくことです。マスキングテープをその位置に巻いておくか、油性ペンで印を付けておくとよいです。
5 ヘッドに穴を開けるときにまっすぐ垂直に開けろ。
手持ちのドリルで穴を開けるとき、大抵の人は斜めになるでしょう。これをまっすぐ開けるのは熟練がいるのです。目で見て「絶対垂直!」と確信しても垂直であることはまれです。人の感覚はあてになりません。何か垂直なものを近くに立てて、その垂直ラインとドリルビットが平行であることを複数方向から見て確認すれば垂直を作りやすいです。垂直の感覚より、平行の感覚の方が、人は正しく認知できるようです。垂直の確認を平行の確認に置き換える工夫をすることで、わりと正確にできるようになります。
まあ、こんなもんでしょうか。
あとは、ヘッドのどこに穴を開けるかという位置決めですが、これは取り付けるペグの種類形状ごとに決めるしかないので、あまり具体的なアドバイスができません。この点について私からの心あたたまるアドバイスをさせていただくならば、「しっかりやれ。しくじるな。」ということに尽きます。
(∩´∀`)∩