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木工の基本 面と矩を作る 

冒頭の写真は、スコヤという名前の工具です。矩(直角)を出すときに使うものです。「すこや、すこや」ってねじり鉢巻きの職人さんが言ったりするから、江戸時代から伝わる日本語なんだろうと思っていたら、語源は、四角とか直角とか街区などを意味する英語のsquare(スクエア)から来てるんですね。(#^^#)

ところで、木工の基本は、面(めん)と矩(かね)を作ることです。つまり、水平と直角を出すことです。そこの基本は、家具製作でも建築でも変わりません。ひとつの水平な面を確定することで全体構造の基準を作ることができて、その水平な面から直角を重ねることによって、構造を広げていくことができるんです。

この基本は、曲線が多いウクレレ作成でも同じです。曲線が多いからこそ、面と矩を要所で意識しておくことは一層大事かもしれません。そうじゃないと、全体にしまりのない、ぐずぐずのウクレレになってしまいます。

最初は、面を作るのも、矩を出すのも結構難しいんです。

ある面をカンナで削って、これで絶対水平だ!と思っても、ベテランがひとめ見ると、全然水平じゃないということに大抵なります。これでよしとか、まだまだとか、もうちょっととか、判断の勘所がわかりません。まっすぐに線を引くとか、正確に切るとか、基本動作も最初はぎこちないです。

スキーを自己流で滑っていて、そこそこ上手な人って結構いますね。でも、そこで頭打ちで、そこからもう一段上手になることが自己流だとできませんね。そういう人がスキー教室に入って、基本の体重移動などを一回習うと、飛躍的に上手になったりします。

木工でも、スキー教室みたいに、水平とか直角とかの基本を丁寧に教える講座があるといいかもしれませんね。DIYをやっている人は多いですから、そういう人が基本を教わるとぐっとよくなると思います。世の中のDIY教室は、なかなかそこまでは教えてくれないでしょうからね。

ひと昔前は、親方のもとで、三年修行してようやく基本をひと通りやったとか、最初の一年は掃除をしながら見て覚えるとかという感じで、長い時間をかけますね。あまり教えないで、手伝いの中で見ることで、基本が自然に染みつくのを待ってたりしたわけですが、実はそんなに時間をかけなくてもいいんだと思います。

上手に教えられる人が合理的に教えれば、ごく短期間でエッセンスを伝えることができるんだろうと思います。合理的に教えられる人が少ないんですね。でもエッセンスさえ伝えることができれば、あとは自分で磨いていくことができるんだと思います。

 

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