売るレレ

木工談義5 価格の話

友人の木工家たちと話しているとき、頻出の話題のひとつは、価格のことです。

家具にしてもウクレレにしても、市販の低価格商品と木工家の手工作品では価格の差が大きく、十倍近い開きがあることも珍しくありません。輸送費と材料費の半分も出ないような価格で売られている大量の市販品が成り立っているのは実に不思議ですが、おそらく外国の極端な低賃金に依存しているのでしょう。

日本の手工作品の場合、ウクレレなら一台十万円、家具ならテーブルやタンスひとつに20万円以上くらいの値付けをしないと、材料費や時間を考えると、アルバイトなみの収入にもならなかったりするのですが、逆にお客様の立場からすると、その値段はなかなか出せないわけです。

このことについて木工家の友人たちからは、いろんな話がでます。
短時間で作れるものだけを作って価格をなるべく下げるという話もでますし、時間をかけていいものを作って差別化して適正価格をもらうという話ももちろん出ます。低価格競争に合わせていくと誰もしあわせにならないシステムが蔓延するとか、町おこしで販売の工夫をしようとか、極端な低価格が常識になっている消費者意識全体を変えていこうとか、個々の作り手の魅力を知ってもらうことがカギになるとか、いろんな話が出ます。

こんなふうに、「売れない、売れる価格だと生活が立たない」というのが木工家の多くがかかえるジレンマなのですが、きっとブレイクスルーのきっかけはあると思うので、みんなで目を開いてそれを見ているところです。(@_@)

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